福祉と暮らしのハイブリッド展 in エア・ウォーターの森
はじめに(イベント概要)
2025年12月10日、「福祉と暮らしのハイブリッド展」に参加しました。本イベントは、福祉用具・介護テクノロジー・防災・生活支援など幅広い分野の企業が集い、「福祉をより身近に、暮らしの一部として感じる」ことをテーマに開催されました。

参加目的
障害福祉の現場で働く立場として、各企業の製品や取り組みを見学し、福祉・テクノロジー・暮らしが結びつく取り組みを知るとともに、現場で実際に導入可能なものがあるか、導入した場合の変化や効果を検討すること。
掲載順
- パラマウントベッド株式会社|トイレダイアリー
- 白十字株式会社|フレーヌケア Strong(尿とりパッド)
- エアウォーター・ライフソリューション株式会社|美浴(シャワー入浴装置)
- 株式会社ムラカミ|VR災害体験・非常食
- 株式会社いうら|排泄サポートリフト TL300 onbu
①パラマウントベッド株式会社|トイレダイアリー
概要・特徴
- トイレ内センサーとタブレットを連動
- 入室・着座・立ち上がりを自動検知
- 排泄状況を自動記録し、見守りと記録を効率化
実際に見て・触れて感じたこと
- 設置がシンプルで、既存のトイレ環境を大きく変えずに導入できる
- タブレット操作が直感的、簡易的で、機械操作が苦手な職員でも扱いやすい
- プライバシーを守りながら安全に見守れる点は、利用者さんの尊厳と職員の安心を同時に守る仕組みだと感じた。

②白十字株式会社|フレーヌケア Strong(尿とりパッド)
概要・特徴
- 最大2L吸収で夜間や長時間外出時も安心
- 弱酸性・抗菌加工で皮膚トラブルを軽減
- 青色立体ギャザーでモレを防ぎ、身体にフィット
- 厚みがあってもゴワつかず、やさしい肌ざわり
実際に見て・触れて感じたこと
- 「2リットル吸収=硬い・分厚い」という先入観がありましたが、想像以上に柔らかく、装着時の違和感が少ないのでは、と感じた。
- 体位変換時、日常的な動きの中でも起こりやすい「ズレ」や「漏れ」といったリスクを抑えられる点が、大きなメリットだと感じた。

③エアウォーター・ライフソリューション株式会社|美浴(シャワー入浴装置)
概要・特徴
- ミストシャワーにより短時間でも身体が温まりやすい
- 利用者の不安感が少なく、介助者の腰への負担を軽減
- 冬場でも安定して使いやすい
実際に見て・触れて感じたこと
- 「入浴=危険が多い」というイメージがありましたが、この装置は利用者の安心と介助者の安全を同時に実現できる設備だと感じた。入浴介助に不安を抱く現場にとっては、有効な選択肢の一つになると思います。


④株式会社ムラカミ|VR災害体験・非常食
VR災害体験(地震・水害・火災)
VR体験で感じたこと
- 水害:足元から迫る水の恐怖を“体感”できた
- 地震:家具転倒や揺れの強さから、避難誘導の難しさを再認識
- 火災:煙の速さと視界不良により、初期対応の重要性を実感
- 映像視聴ではなく、その場にいる感覚で学べた
- 平時からの想定と訓練の重要性を感じた
具体的な備え
- 個別避難計画の整備:障害特性、医療的ケア、移動手段(車椅子等)を反映
- 避難導線の確認:段差・幅・照明・代替ルートの事前確認
- 初期対応の役割分担:声かけ、誘導、安否確認、通報の担当を明確化
- 連絡手段の複線化:紙の連絡網、電話、SNS、無線などの併用
- 備蓄品の点検:水・食料・簡易トイレ・常備薬・モバイル電源など
- 訓練の実施:夜間・少人数・停電想定など条件を変えた訓練

非常食ブース
実際に見て・触れて感じたこと
- 5年保存が可能なため、頻繁な入れ替えや管理の手間が少なく、備蓄しやすいと感じた
- 温め不要で停電時でもすぐ食べられるものも多い
- 味や種類が豊富で「非常食=美味しくない」という印象が変わった
非常食の購入先(例)
- 防災専門店(オンライン)
例:防災グッズ専門ショップ、自治体向け防災用品取扱店
→ 長期保存食・セット商品が充実しており、まとめ買いしやすい - 医療・介護用品の通販サイト
例:介護用品専門通販、医療材料販売サイト
→ やわらか食・とろみ対応食品など、障害特性に配慮した商品が選びやすい - 大手ECサイトの防災カテゴリ
例:総合通販サイトの「防災用品」「非常食」コーナー
→ 少量から購入でき、価格比較がしやすい - ホームセンター・量販店
例:防災用品コーナーのある大型店舗
→ 実物を確認でき、災害シーズン前の入れ替えにも便利

⑤株式会社いうら|排泄サポートリフト TL300 onbu
概要・特徴
- 立ち上がり不要で座位のまま移乗が可能
- 脇・胸・膝裏で支え、“おんぶ”のような安心感
- 吊り具がお尻にないため、衣類の上げ下げがスムーズ
- 介助者の腰・肩への負担を大幅に軽減
実際に見て・触れて感じたこと
- 立位保持が難しい方でも、条件が合えば転倒への不安を軽減できる可能性を感じた。
- 個々の状態に合った使い方ができれば、ベッド・車椅子・トイレ間の移乗を安全に行えると感じた。


全体を通してのまとめ
今回、このイベントに参加して、福祉とテクノロジーが暮らしに結びつく形で広がっていることを初めて知りました。福祉の現場は「人の力」に頼る部分が大きいと思っていましたが、テクノロジーが寄り添うことで、支援の形が変わりつつあることを学ぶ機会となりました。利用者の尊厳と安全を守りながら、介助者の身体的・精神的負担を軽減する。その両立を実現する選択肢が増えていることは、今後の福祉にとって非常に重要な方向性だと感じました。
私は障がい当事者であり、同時に重度訪問介護の介護者として現場に立っています。
支援を受ける立場と支援を行う立場の両方の視点で展示を見学しました。排泄や入浴など、当事者が不安や遠慮を感じやすい場面においても、見守りすぎず、急かさず、無理のない支援を可能にする工夫が随所に見られました。当事者であり、介護者でもある立場だからこそ得られた気づきが多く、今回のイベントは、現場にどのように活かしていくかを具体的に考えられる、非常に意味のある機会でした。次回開催があれば、ぜひまた参加したいと思える、学びの多いイベントでした。
合同会社フィジード 大内