「介護保険のサービスを受けるようになってから、家で過ごすことが多い…」
「どうしても時間を持て余してしまう…」
「でも、65歳過ぎても何か社会の役に立ちたいし、少しでも収入を得たい」
――そんなお悩みをお持ちの方に役立つ情報かもしれません。
介護保険サービスを利用していても、就労継続支援B型という障がい福祉サービスを利用できる場合があります。自分のペースで働きながら社会とつながる方法を、実際に支援現場で経験を持つ相談員へのインタビューをもとにしてQ&A形式でご紹介します。
「就労継続支援B型」とは?
就労継続支援B型は、障害や難病のある方が、その人の体調やペースに合わせて軽作業などの仕事に取り組み、工賃(お給料)を受け取れる障がい福祉サービスです。
「働くことで社会とつながる」、「生きがいを持つ」ための場所として利用されています。
Q1. 介護保険サービスを使いながら通うことは可能ですか?
A: はい、可能です。
65歳以上で介護保険サービスを利用しながら、日中活動の場として就労継続支援B型事業所に通っている方もいます。
- 65歳前から就労継続支援B型を利用し継続するケース
- 65歳を過ぎて新たに「何か役割を持ちたい」と就労継続支援B型の利用を開始するケース
いずれも、本人の希望や生活状況に応じて柔軟に対応されています。
Q2. なぜデイサービスではなく「働く」ことを選ぶのですか?
A: 「働きたい」、「誰かの役に立ちたい」、「少しでも収入を得たい」
という前向きな思いが大きな理由です。
仕事を通じて充実感や達成感を得たいという方に選ばれています。
Q3. 利用するにはどうすればよいですか?
A: 専門家が丁寧にサポートします。
おおまかな流れは以下の通りです。
- 相談
まずは、ケアマネジャー(介護保険利用中の場合)や、市区町村の障害福祉窓口に「就労継続支援B型事業所で活動したい」と伝えます。 - サービス利用のための申請準備
障害者手帳、医師の診断書、特定医療費受給者証など、必要書類を案内されます。障害者手帳がなくても、診断や生活状況により利用できる場合があります。 - 計画作成(サービス等利用計画)
相談支援専門員が面談を行い、希望や体調、生活スタイルに合わせた「サービス等利用計画」を作成します。この計画が、どの事業所でどんな活動をするかの土台になります。 - 見学・体験
候補の事業所を見学し、実際の作業や雰囲気を体験します。無理なく通えるか等を確認できます。 - 契約・利用開始
事業所と契約後、正式に利用スタートします。週1~2日から始め、体調に合わせて回数を増やすこともできます。相談から利用開始までは約1か月程度です。
Q4. 年齢や体調によって断られることはありますか?
A: 年齢だけで断られることはほとんどありません。
ただし、トイレ介助など、常時手厚い身体介護が必要な場合は受け入れが難しい場合があります。
一方で、送迎に対応している事業所や在宅ワークを提供する事業所もあり、あきらめずに相談することが大切です。
Q5. 世代差で馴染めるか心配な方は?
A: 利用前には必ず見学・体験があります。自分に合うか確認した上で契約できるため、開始後にトラブルになることは少ないです。
Q6. たとえば軽度の脳梗塞などの後遺症があり、長時間の勤務は難しい方でも、ちょっとしたサポートで作業ができる場合、利用対象になりますか?
A. 状況によっては対象となる可能性があります。長時間勤務が難しい場合でも、就労継続支援B型事業所では体調や能力に合わせて、無理のない範囲で作業や交流に参加できる場合があります。
最後に
私自身、取材するまで「65歳以上の介護保険利用者は、障がい福祉サービスの就労継続支援B型を利用できない」と思い込んでいました。しかし、実際には年齢に関係なくサービスを利用することができ、働くことを通じて社会参加を実現し、自分に合った環境で活動できることを知りました。
「働きたい」という気持ちをお持ちの方は、ぜひあきらめずにその思いをケアマネジャー、相談員に伝えてみてください。
このインタビューが、少しでも多くの方にとって、「働きたい」、「誰かの役に立ちたい」、「日々の楽しみの一つ」につながれば幸いです。
合同会社フィジード 渡邊、大内